●ブラウン氏の言葉を引用するアイデアはどのようにして?
わたしが13歳か14歳だったころ、格言や教訓集めに熱中していた時がありました。どうしてだかよくわかりませんが、なんとなく好きで、かっこいいと感じていたんだと思います。「幸運は勇者に味方する(※原文:Fortune favors the bold)」などはお気に入りです。また、高校時代、英語の先生でブラウン先生という素晴らしい方がいました。教訓めいたことはおっしゃいませんでしたが、私はブラウン先生に教えられました。本に出てくるブラウン氏は、その先生をモデルにしたキャラクターです。読んでくれていたらうれしいわ。
●作家を目指している人にアドバイスは?
十代の頃に書きとめてあった言葉につきます。それは『ミケランジェロの生涯 苦悩と歓喜』(※原文The Agony and the Ecstasy)にもある言葉で、「最良の見本は自然である。あきらめることなく、描き続けよ」。「描く」を「書く」に置きかえて、それがアドバイスです。ただ書くこと。書く絶好のタイミングが来るのを、待っていてはいけません。だいたい、そんなものは存在しないから。
●最近はどのような本を読みますか?
最近は、残念ながら十代の頃ほどには本を読めていませんが、コーマック・マッカーシーやロバート・オルムステッドをよく読んでいます。ケイト・オブライエンの『The Land of Spices』はお気に入りですね。アイリッシュ文学がもう素晴らしくって、ジェームス・ジョイス、コラム・マッカン、マーゴット・リブシーの『Eva Moves the Furniture』も大好きです。『ブライズヘッド再訪』も外せないわね。孤島に持っていく3冊を選べって言われたら、『星の王子さま』『伝奇集』『Cosmicomics』を選ぶわ。